2021-01-01から1年間の記事一覧

ブラックガムの包み紙でメダルを

ガムは普段たべないのだが起きたいのでコンビニでブラックガムを買う。半年に一回くらいのガムだ。 長方形の包み紙にぴーと折り目をつけて破く。縦と横が同じサイズになった紙を私は折り始める。 手が止まった。折り方を忘れた。 折り紙のレパートリーは鶴と…

夜明け

夜、私は歩いていた。歩くのは好きだ。 人がいない。世界に自分ひとりだけなのかもしれないという馬鹿みたいな妄想を、時々やってきては過ぎ去っていくタクシーが搔き消す。 当たり前なのだけど、夜は暗いものでいろいろなものが闇に飲み込まれていて、カメ…

健康

視力が下降の一途をたどっている。ひとえに自分の不摂生のせいだけれど、視力だけでなく、先の健康診断では2項目引っかかってしまい「どうしたものかな」となっている。元気いっぱいだけれど数値的には微妙という状況は、病院を受診するのも躊躇う。健康保険…

ムーンサイドリバー

モレスキンもどきを使うペースが遅いのでなかなか使い終わらない。仕方ないので些細なことを書くノートにする。読んだ本に関するメモや備忘録(私は「白菜チヂミ」を作りたい)に。 2021年6月30日(水)のメモより。 ムーンサイドリバー 川のほとりに住む少女 …

ジョグ vol.4

ジョグ。雪の降らないこの町は、走るのにぴったりの季節を迎える。 雨も上がり、路面は黒々と濡れそぼる。乾いているときより街灯の光が柔らかなように思えるのは錯覚だろう、しかし、雨上がりの夜の町を走るのは楽しい。 「頭が良くなりてえな」と、私は走…

レディバが弱い

そろそろレディバをてもちポケモンから外そうか考えているのだが、こうなったら君がどこまでいけるか(私が君をつれていくことにどれだけ耐えられるか)知りたいという好奇心が湧いてくる。ポケットモンスターに登場するポケモン、レディバのことである。 zu…

好きなように

普段文章を書くとき、手が止まることはあまりない。書くことに事欠かない。迷わないし困らない。 だけど、今はどうだ。何かを書こうとするとき、頭の奥が鈍く痛む。首の裏側が、喉が痛んで苛々してくる。私はタイピングする手を止め、パソコンを脇に押しやり…

幼児

電車に乗っていると(空いていたので私は端の席に座る)幼児2人を連れた女性が乗ってきた。おそらく兄妹だろう、兄の方はこれまた推測だけど『鬼滅の刃』の、炎の人、煉獄さん?の刀を模したおもちゃを手にしている。妹の方はベビーカーに座っていたが、兄が…

カルピスウォーター vol.2

久々にジョグ。久々ではあるけれど、ぎこちなさはあまりない。走ることも(速くは走れないにしても)体に馴染んできた感じがあって嬉しく思う。着実に自分を組み立てていくような。 帰りに自販機でカルピスウォーターを買う。本当はスポドリを飲みたかったの…

遺跡

川沿いの道はレンガを敷き詰めてできたもので、赤茶の道に紅葉がはらはらと落ち、両者はお互いに同化している。 川が見える。当たり前だが。紺碧の川面にマンションの影が落ちる。 歩くこの道が廃墟の一部だったらいいのに。歩きながらふとそんなことを思っ…

本を読む

私は家では本を読まない。嘘だ。読まないわけではない、でも、おそらく家の外で読むほうが格段に捗るし、楽しい。あと、実のところ喫茶店とかカフェでもあまり本を読まない。じゃあどこで本を読むかというと、電車の中とか駅のホームとか公園のベンチとか待…

枯れ葉

風は強かったが今日もいい天気だった。ふらふらと辺りを一回りする。空が青いなと思う。空が青いのは何故だろう、私はその確からしい理由を知らないということに気づき、あとで調べてみようと思ってまだ調べていない。そうやって日常から零れ落ちていく欠片…

10 minutes

10分で何かを書こうとしている。最初に言いたい。minutes、つまり日本語にすると「分」という意、いつもスペルが正しいか不安になるのをやめてほしい。interestingもJanuaryもいい加減覚えたけど、minute(s)はいつまで経っても慣れない。さて言いたいことが…

ライトグリーンの自転車

気持ちの良い天気だったので昼休憩に少し歩く。 進行方向少し遠くに信号があって、人々が往来している。今から私もその横断歩道を渡ろうとしているのだが、どうやら青信号には間に合わなそうだ。 と、一人のおばあさんがライトグリーンの自転車に乗りよろよ…

悪い孤独

ここ数日とても孤独だ。 そう書くと「んんん?」と思われること間違いなく、私自身うまく表現できている気がしないけれど「ここ数日とても孤独だ」と形容するのがしっくりくる気がする。 例えば、今これを書いている私はひどく眠たく、ちろちろと首にかかっ…

食パン、卵、マヨネーズ、ケチャップ

白米が好きだ。そんな私は毎朝茶碗に一杯のご飯を食べていて、朝昼晩のどこかで万が一白米を食べられないなんてことがあったら、機嫌が悪くなる。一言で言って最悪だ。白米を食べられないことが最悪なのではなく、食べ物一つで不機嫌になる私が最低最悪って…

人間をするのに疲れる朝

爽やかな朝だった。前日の雨模様が一転、レースカーテン越しでもわかる、今日は良い天気だ。 タイマーをかけていたのに昨晩は寝落ちしてしまった。気づけば土曜日の朝7時で、寝落ち明けの目覚めは最高で、最悪だ。 私は朝から好きな音楽を聴いていた。ああ、…

非再現性

今日は空が綺麗な日だった。ということで一句。 落ちそうな雲に恋する秋の朝 もっとうまく重厚な句を作りたいものだわねえ、なんて思いながら、しかし、詠まなければ作れないのも事実であった。ただ、何についても言えるけれど、その瞬間を完璧に再現するこ…

骨の記憶

池の真ん中、ぽつんと浮かぶ小島に大きなケヤキの木一望できる場所にベンチがひとつ剥げかけた白塗りのペンキ私が腰掛けると悲鳴をあげて傾いだ 凪いだ水面を見つめる私は火山灰を所望する降り積もる死の雪に埋もれるこの私朽ちた肉体のその先に骨にきっと刻…

コスモス

出かけた。 今回新発見だったのは「写真」についてだ。 出かけるときは大体一眼レフとコンデジ両方で撮影しているけども、いい写真を撮りたいというよりは(もちろん撮りたいけども)撮りたいなと思ったものを素直に撮っていて、もしかして「撮りたいなと思…

採血

採血のときは緊張より好奇心が勝る。看護師さんの一挙手一投足から目が離せない。自分が採血する側だとして、嬉々として乗り込んでくる患者がいたらさぞかし疎ましいだろうなと思いながら、椅子に座るときわくわくしている自分がいる。 アルコール平気ですか…

解体現場

高床式のように二階部分が店舗で下は駐車場、そんなファミレスが閉店したのはいつだろう。ここ1年ほどのことだからやはりコロナ禍の影響は否定できない。結局その店に私が訪れることはなかった。 交通量の多い道路沿いにあるそのファミレスは(正確には「フ…

夜と橋とタワー

夕暮れ時を歩く。 タワーを見上げた。 特に何も思うことがないくらい、へとへとであった(1時間ほど歩いたので)。

空白

何故こんなものを書いているのだろう。 空しさよりライトな、ぼんやりとした空白が今日はやってきた。お互い暇なのだろうねと、とりあえず挨拶をしておいた。どうもこんにちは。 それなら書かなくてもいいと思うけれど? そうね、でも、空白のことについて書…

夜の散歩

半袖が好きだ。半袖が好きだから春も夏も秋も冬も半袖を着られたらいいのに、と思っている。 けれども夜風が冷たい季節になってきた。当たり前に半袖の私は、黒色のパーカーを取り出してささっと羽織る。ちなみに私は黒のパーカーも好きだ(パーカーについて…

私の体は餡で出来ていて、それを抉り取って誰かに渡すときコミュニケーションが生まれるような気がしてたけど、たぶんそれは間違い。削り取るようなやさしさはやさしさにならない。餡を渡すことはコミュニケーションではない。私にはわからない。餡を渡すこ…

沼 vol.2

日暮れを見送るまで歩きたい、という欲望は年内に満たせるかわからない。少なくとも今回は達成することができなかった。一日中歩き続けることができたらいいのに。あと3か月足らずで、果たして叶えることはできるだろうか。 時々身体的に自分に苦行を課した…

持続不可能性

たくさんの距離を歩いた。歩くことを楽しむ力はおそらくあるので勿論今日もとても楽しかったのだが、早くも楽しさの花弁は萎んでいくところでああ楽しいことを瞬間冷凍することはどうしてできないのだろう、楽しさは持続しないということ、とても悲しい気分…

投擲

夜道を歩く私は右手に上履き入れを持っている。 そういえば、久しく物を投げていないと思った。そう、物を、投げていない。 一度意識してしまうと途端に体が疼きだす。投げたい。何かを、投げたい。 誰もいない。私は確認すると、上履き入れをぽーんと真上に…

椅子取り合戦

電車に乗るときは、乗客がそこまでいない、あるいは、立っていられないほど疲れているときを除いて席に座らずずっと立って本を読んでいる。吊り革も掴まない。電車が大きく揺れるたびにバランスを欠いて転びそうになる体。支えるべく、がたんと、足を一本踏…