遺跡

 川沿いの道はレンガを敷き詰めてできたもので、赤茶の道に紅葉がはらはらと落ち、両者はお互いに同化している。

 川が見える。当たり前だが。紺碧の川面にマンションの影が落ちる。

 歩くこの道が廃墟の一部だったらいいのに。歩きながらふとそんなことを思った。

 私は一人が好きすぎる。みんなは一人が好きじゃないのかしら。不思議。

 遺跡に胸ときめく(アンノーンの遺跡!素敵!)。渋谷も新宿も池袋も遺跡になろう。私はそこを歩きたい。その為だけに永遠の身体が欲しいと思ってしまうほどに。私がいま生きる現実が遺跡となった世界を生きたかったなと、思う衆議院総選挙の翌日。