私は、泣くことができると思う。
そう書き出しても、「?」と思われるだろうからもう少し書き足すと、私は他の人に比べて泣くことが得意だと思う。今すぐ泣いてくださいと言われたら、多分想像力を何かしら使って泣くことができると思う。俳優になりたいと思ったことはないけども。
久々に平日に休みを取った。嘘だ。数週間前にも平日休みがあった。でもそれは自分を回復するのに使ってしまった。家に引きこもった。今回は違う。たくさん歩いた。それが私の好きな状態なわけだし。
お気に入りの曲のプレイリストは200曲を超えた。1時間の長い散歩のお供に流したとしてもすべてを聴くことはできない。その中に、キタニタツヤの"あなたのことをおしえて"が入っていた。
この曲はシャドバのテーマソングらしく、YouTubeの広告で散々聴いた。「この曲、なんて曲なのだろう」気になって、調べて、曲名を知って、プレイリストに追加した。
サビはこんな歌詞で始まる。
だから、
どうか生きて、笑って、泣いて
少しでも多く
広告で聴いていたときには日常の短い散歩のときにはまったく気がつかなかったのだけれど、こういう歌詞だった。
私は聴覚的な処理が他のより若干劣位なのか、言葉の意味が浸透するのが遅いときがある。電話もレジも会議も苦手だ。何を言っているのかよくわからない。
サビの歌詞も今になってわかった。「だから、どうか生きて、笑って、泣いて、少しでも多く」。ふーん、そういう歌詞なんだ。そして、不覚にも、歩いている最中に少し泣いた。泣くのはいい。泣けないより泣けた方がいい。歩いている最中に手の甲で涙を拭っても、人は気にしない。私なら、葬式では絶対泣きたくなくて、代わりに散歩でだったら泣いてもいい。
たぶん、疲れていたのだろう。疲れていないときなどないのだから。
祈りの曲ではあるのだけれど他者を縛る曲でもあって、後者の怖さみたいなのもありつつ、でもベースは祈りなんだろうなと思う。
「どうか生きて笑って泣いて、少しでも多く」というのがいい。少しでも多く。できれば。as much as possible.
一方通行の、祈りの言葉が心地よい。