白い本は汚れる

 イーユン・リーの『自然のものはただ育つ』を読んでいる。少しずつ少しずつ。集中できてないなと思った時点で本を閉じて、しばらくしてまた読み始める。そういう読み方をしたい本。ボリュームはそこまでない。

 この本のカバーは白い。そして、汚れやすい素材だと思う。鞄に入れて持ち歩けば、たちまち薄汚れる。

 私は、本の管理が杜撰。所有している本ならぼろぼろになればなるほど良いと思っている節がある。汚れることがそこまで気にならない。書店でのカバーもつけてもらうことが滅多にない。

 汚れに対して神経質になること、汚れてほしくないと願うことのコスト。コストという表現は少し嫌らしいか。何をどこまで許容できるのかという話。

 

 この白い本を開くとき、日常の様々な出来事から切り離された、シンプルで遅い時間が流れている。でもね、白いカバーを外すと本体は深い緑をしている。見返しは茶色。そのギャップに驚き、私は植物の気配を感じた。

点点

 ブログって、点なんだよな、と思う。日記は点ではなくて流れなのだけども。

 何が書けるのかなあと考えている、宙に浮いた時間が良い。日記は、岩壁の手をかけられそうな凹凸さえ見つかれば、あとは自動書記状態になるので流れ。ブログの記事は前後の投稿とは切断されている。

 これはブログのスタイル、日記のスタイルに寄るのであくまで私の今のスタイルが、ということになる。

 過去の投稿を読んでいると、馬鹿みたいだなと思う。書いたときの自分と、読んでいるときの自分に乖離があるとき、私はそう感じる。

 今もまさにそれで、そういえば私は何をしていたのだっけ、生きていたのだったか何をしていたのか、とまるでここ数週間何もなかったかのような気分になる。

 

 やることなすこと考えること。そのどれもを観察しようとしているもう一人の私がいる。それはどういうことなのかと判断しようとしている。明らかにそれはやりすぎで、完璧主義の症状で、天井を見上げ私はため息をつく。頭で考えすぎだ。

陽の光の匂いの方へ

 同じようなタオルケットが2枚あり、どちらが洗って干したものでどちらがそうでないものか、わからなくなってしまった。それぞれに鼻を寄せて、匂いを嗅ぎ、太陽の光の匂いがしてそうなものを選ぶ。横になると、私は己の体にそれをかける。本当に太陽の光かはわからない。自分を信じる他ない。

あの人はもう眠ったのかしら

 眠る直前に時々「あの人はもう眠ったのかな」とか、そういうことを考える。あの人というのは、これまでの人生で出会った人たち色々。

 私の世界は、私の一人称で展開される。群像劇の視点を獲得することができない。むしろ、誰かの視点を常時起動できたなら、私は多分耐えられないだろう。「あの人はもう眠ったのかな」を考えるだけでも、気が狂いそうになり、すぐに想像を止める。他者にも感情があり思考があるということを、わかってはいるのだけどとても恐ろしいことのように感じる。

 共に暮らすなら、その人が眠ったかどうかを気にしなくていいのかもしれない。いや、本当に安心できる関係というのは、その人がどう思っていても私は大丈夫と思えることなのかもしれない。違うかも。わからないな。

ペンネ

 やりたいことリストに「ペンネ」と書いていたので、ペンネで何かを作ることにした。ペペロンチーノみたいな味付けを目指す。

 スーパーでペンネとシーズニング(味付けできる粉)を買い、家に戻ると、規定の量の湯を沸かしペンネを茹でる合間に、鯖の缶詰(昨日三分の一使った)の中身とにんにくのみじん切りをオリーブオイルで炒める。

 茹で上がったペンネに、シーズニングの粉と鯖のにんにく炒めを和えて、doneである。簡単。ペンネをうんざりするほど食べたいという欲を満たすくらいの量はできあがったと思う。

 

 料理は難しい。料理ができるというわけではない。料理は好きではない。嫌いでもない。

中断と再開

 システム手帳のリフィルで途切れ途切れに続けていた日記めいたものを中断し、B5の書きかけのノートの方で再開する。今はバラバラの紙より綴じノートの気分。読み返すことはあまり無いから、色々な場所に思うがままに書いてもいいのではないかと思っている。

 とにかくなんでもいいから手を動かして何かを書きたい気持ちがある。考えていること、見たもの感じたこと。凶暴な感情が渦巻いている。

デニッシュ

 土産に、よくわからないデニッシュをもらう。煮詰めたのか、少し形が崩れた、しかしジャムほどどろどろしてないブルーベリーソースが上にかかっていて粉糖がまぶしてある。プラスチックの容器に入っている。

 仕事の再開だ。相変わらず忙しい。参加しているWeb会議をミュートにして、当然カメラはオフで、話を聞きながらデニッシュにかぶりつく。中からカスタードクリームが出てくる。空腹で、糖分を欲していて、さらには自分が置かれている状況にイライラして不安で、そうしたらいつのまにかデニッシュが消えていた。

 勿体無いことをしたな、と思った。どうかしてる。仕方がない。今日はGW明け初日なのだもの。それでも、もう少し落ち着いて、自分が何をしているのか自覚的であろうと強く思った。