枯れ葉

 風は強かったが今日もいい天気だった。ふらふらと辺りを一回りする。空が青いなと思う。空が青いのは何故だろう、私はその確からしい理由を知らないということに気づき、あとで調べてみようと思ってまだ調べていない。そうやって日常から零れ落ちていく欠片。

 少しだけゆっくりできそうだったので(それでも5分くらいだが)すり鉢状の芝生広場のような場所、人気のない階段に腰を下ろし束の間風にあたる。陽光の温かさと北風の冷たさが絶妙で、チョコレートがかかっているポテトチップスみたいな、そういう塩梅だった。

 枯れ葉がちろちろと地面を滑っている。風が運んでいるのだ。ふと、手近にあった枯れ葉に手を伸ばした。思った通りの軽さ。いや、もはや軽いということすら感じない、無の質量。かさりと乾いた音、少し指に力を込めれば、ぱりい、と音をたて崩れて散ってしまった。

 冬がやってくるのだな、と思った。紅葉。紅葉をそういえば見ていないと思った。