骨の記憶

池の真ん中、ぽつんと浮かぶ小島に大きなケヤキの木
一望できる場所にベンチがひとつ
剥げかけた白塗りのペンキ
私が腰掛けると悲鳴をあげて傾いだ

凪いだ水面を見つめる
私は火山灰を所望する
降り積もる死の雪に埋もれるこの私
朽ちた肉体のその先に
骨にきっと刻まれるでしょう、この孤独が
そして一億年後、私の骨を掘り返す誰かの手
あなたの手の滑らかさよ
その指の柔さを信じ、私はベンチから立ち上がることにした