2021-10-19 骨の記憶 創作 池の真ん中、ぽつんと浮かぶ小島に大きなケヤキの木一望できる場所にベンチがひとつ剥げかけた白塗りのペンキ私が腰掛けると悲鳴をあげて傾いだ 凪いだ水面を見つめる私は火山灰を所望する降り積もる死の雪に埋もれるこの私朽ちた肉体のその先に骨にきっと刻まれるでしょう、この孤独がそして一億年後、私の骨を掘り返す誰かの手あなたの手の滑らかさよその指の柔さを信じ、私はベンチから立ち上がることにした