2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

LARK

気が狂えたらどんなにいいかと思う。そして私は自分が狂うことはできない人間だということを知っている。身の守り方を知っている。無理をしないことも知っている。大丈夫なのだけれどそれは傷つかないってことでは無いのよね、なんて思いながら、今日の夕暮…

油を差す

ジョグ。久々なので体は鈍っている。 関節に油を差してください。ブリキの木こりはドロシーにお願いをする。『オズの魔法使い』の劇で私の幼馴染がブリキの木こり役だった。私は「関節に油を差す」という表現がとても気に入ったのだった。とくとくと関節に油…

舗道

回り道をして帰る。川沿いの遊歩道。舗道の敷石を見ながら歩いていると、次第にとろとろと眼前の風景がゆがんでくる。平衡感覚が狂い直線が歪んで見える。規則正しく並ぶ敷石は、錯視のような、そういう効果。そして足の裏から伝わる地面の感覚。多分敷石が…

今日の秘密

完璧に孤独、という言葉が頭の中に浮かんでいる。とっても孤独、めちゃめちゃ孤独、very very 孤独。そして完璧に孤独であるということがまったく気にならない。というか、まったくの孤独はありえないわけで。 私たちの体は細胞壁によって外界を遮断している…

斜め下

出かける。 駅のホームで電車が来るのを待っていると、向こうから作業員が二人ほど線路を歩いてくる。蛍光グリーンの旗を片手に持ち、ヘルメットを被り、作業服を着て。周囲の人もそれに気づく。大丈夫なのか?電車を待つ人々が皆心配そうにしているのが怪訝…

黒のパーカー

パーカー大好き。夜の闇に溶け込むべく私は黒のパーカーをささっと羽織り、フードまで被ってしまう。カレーにほろほろと溶けるじゃがいもは好きだ。そんな感じ。簡単に不審者になることができる魔法のアイテム。それが黒のパーカーで、左右と後ろの気配がわ…

柔らかくて甘い匂い

寒い冬から暖かい春に移り変わるこの季節は、お日様の匂いがしますね。柔らかくて甘い匂いが。生命の気配。息吹の予感。くすぐったくて少し苦手。

ノー・ヘッドフォン

特に何もしない一日であった。すき家のカレーを食べた。終わり。 やっぱり四六時中ヘッドフォンをしているのはよくないなと感じている。ヘッドフォンをしたところで音楽は聴いておらず、耳栓代わりなのだけれど、ノイズキャンセリング機能など無くてもある程…

すき家のカレー

歩いた。 川面 I’m so tired.である。 夜に動きながら撮るとブレブレになってそういうところが結構好き。この自転車は今まさに薙ぎ払われたわけではなく、私が動いているに過ぎない。 歩く。あんまり考えていないし感じていない。歩いて電車に乗って本屋に寄…

シナモン味の信頼

「僕は治野さんを信頼しているので」とその人は事あるごとに私に言う。 信頼ですか、と聞き返したりはしない。 私は信頼という言葉を信頼していないし、人間を信頼していないわけですが、あなたは私を信頼すると言うのですか。言われる度にぐるぐると考えて…

足音

ドラマ『探偵学園Q』第一話冒頭は、確かローファーを履く足がただひたすら歩を進めるシーンだった。黙々と目的地に向かって歩いていく主はやがて学校の図書室にたどり着く。このシーンがやけに印象に残っていて、以来「足音」なるものが好きだ。 ああ、私、…

曖昧, me, mine

I, my, me, mineという呪文がかつての自分の中には宿っていたなあと思いながら、私は曖昧って漢字書けるのよなあ、だってたくさん書いてきたもの、と思った。 「鬱」というのはぶっちゃけて言えば正しく書けているかわからん。心配になったのでGoogle検索で…

シマサルスベリ

シマサルスベリに出会った。 滑らかにすべすべとした白い樹木が並んでいる。 表皮が剥がれた樹体。そこに痛々しさを感じるは私の勝手、憐憫の情を私が抱くのは筋違い。だから私は仕方なく溜息をつくと痛々しさから目を背けるように空を仰ぐ。 空へ空へと伸び…

生首

土曜の朝8時37分に道を歩いていたら、近くのアパートに入ろうとしているトレーナーにスウェットのパンツ姿の男性、右手には生首を持っていた。「生首かあ」と思ってもう一度見たら、多分あれは六枚切りの食パンだった。要は朝食のパンを切らしていたから、こ…

思考するペン先

私による「心」の書き方が気にくわない。 他にも書いていて気にくわない文字、たくさんある。て、を、そ(「て」と「を」と「そ」は似ている。もちろん「と」も書くのが得意じゃない)あとは、思う、念ずる、「心」が苦手。門構えは簡略系で書いちゃうし、あ…

物憂い味のガム

星野源『湯気』を聴きながら歩く。アルバム『エピソード』はすごく音がシンプルで率直だと感じる。歩いている時にぴったり。 邪なる感情は虚(うろ)に入り込んでくる。黄昏時に漠然と悲しんでいるうちに、しんしんと心が冷えていく。その冷たさは生きていれ…

敏腕だったから

今日は何も書けない、ということを書く。敏腕な人間だったから今日は書けないという感じ。バッティングセンターで来る球をひたすら打ち込み、しかも正確な時間までにきちんと打ち返さなければならなかった。繊細な作業。マルチタスク。仕事というのは楽しい…

星を見た

公園のベンチにどさりと腰を下ろし、見上げるとそこにはチラチラと光る星々。人類は宇宙にロマンを求めすぎだわと思いながらも、いつまで経っても地上に落ちる気配がない輝きを不思議に思うのも無理はない。緑豊かな場所に行きたいなあ、とか。川のせせらぎ…

ぶつ切り

思考を断つなかれ。歩くことが好き。思考が途切れることがないから。日曜日の次の日、月曜日。可能性ばかりだった昨日を嘆く日。だけど私がいちばん元気な曜日、それが月曜日。連綿と続く思考が恋しい。ぶつ切りだらけの日々に抗う。

ガラスの欠片

少し離れた机の上のスマホをとるのが面倒で、椅子から立ち上がらずに手を伸ばしたところ、ACアダプタのコードが引っ張られ、それに引っかけてカフェラテが少し残ったグラスを落としてしまった。食器を割るのは大罪。ごめんなさいと謝らなければならないこと…

シオラン、透明、薄い膜

シオランについての本を買ったので読んでいる。1周目はとりあえずいつもの読書感覚で、2周目はシャーペンを片手に少しゆっくり目に丁寧に。さて私は何故この本を買ったのかというと、過去の私が(過去といっても数か月前の自分だろうが)読みたい!と言って…

砂利の音

ジョギングに出かける。外との接点がジョギングしかない、というのは正確ではないが「ああ生きている」と思うのはもしかしたら走り終わってたらたらと歩く帰り道だけなのかもしれない。蛍光ピンクのランニングシューズが砂利を踏む音が聞こえる。粉末を使っ…

腕立て伏せ

好きな筋トレはランジだけれど、最近は腕立て伏せも好きになってきた。両の腕で自分の体重を支えることが出来なくて仕方なく膝をついてゆっくりと腕立て伏せ。両足では問題なく重いとすら感じないのに、腕で支えるとなると途端に肉の重さを感じる。ままなら…

終わりの話

ふと「終わり」のことについて考えていた。 知っている少年漫画を挙げられるだけ頭の中でリストアップし、その物語の結末について、あるいは、まだ途上であるならば最終的に予測されうるゴールについて思い浮かべてみた。 例えば、最初から明確な「敵」がい…

「脳のリソースを使いたくない」

仕事で後輩と会話しているときに、何かを断罪するほど強くはなく、しかし冗談として場を和ませるわけでもなく「でもこの件について脳のリソースを使いたくない」と言ってしまってチャットを切った後にぐるぐると考え込んでしまった。「脳のリソースを使いた…