思考するペン先

 私による「心」の書き方が気にくわない。

 他にも書いていて気にくわない文字、たくさんある。て、を、そ(「て」と「を」と「そ」は似ている。もちろん「と」も書くのが得意じゃない)あとは、思う、念ずる、「心」が苦手。門構えは簡略系で書いちゃうし、ああ、透も苦手。

 

 昨日は食べたいものが全然無くて、そういう時は惰性で鍋焼きうどんなのだけどあまりに鍋焼きうどんを食べているから(週4くらい鍋焼きうどん)嫌になってしまって「ああ食べたいものがないよお」と悲しい気持ちになっていることを日記に書くことにして(悲しかったので)「珍しく私文字を上手く書けているわ!」と嬉しくなって万年筆のペン先をぼーっと眺めていたら自然とペン先が動いて「ラーメンが食べたいかも」と書いていた。ということで、外に出てコンビニでスタミナラーメンという商品を買うことになった。ついでにゆで卵も買った。味玉にすればよかったと後で少しだけ思った。さておき私は私が食べたいラーメンを食べた。そういうスタイルはとても嬉しい。食べたい時に食べたいものを食べるということは。

 こっくりさんでしたか、10円玉が勝手に動くのは。10円玉に宿る何か。拡張された身体。ペン然りテニスラケット然り包丁然り。予期せぬ行動。想定外の出来事。何かを使いながら私は思考しているような。ペンに脳がある。テニスラケットに心がある。そんな感じ。でもパソコンのキーボードには脳が宿らない気がする。キーボードを鳴らすのは楽しいことなのにね。「こんなにも愛しているのに」という言葉が浮かんだ。それは私の脳が生み出したものなのか、それともカタカタと鳴ってくれるキーボードが発したものなのか。まだわからないってこと。