フレンチブルドッグ

フレンチブルドッグが私の口元を舐める。どんな水菓子よりも綺麗でふるふると揺れる大きな大きな目。真っ暗で光沢のある宝石のような目を見ていたら、思わず親指と人差し指で掴みたくなって、私はぐっと拳を握りしめる。

会えば、必ずと言っていい、どすどすと近寄ってきてくれる。かたくて短い毛並みをするすると撫でるとその身を預けてくれる。何を考えているかわからない、フレンチブルドッグ。喜んでいるのか怒っているのかよくわからないところがすごくいい。