靴紐

 母とモールに行く。新しいジョギングシューズを買うのに付き合ってよ、と言って。普段私は買い物に誰かを誘うことはまったくない。それなのに母にお願いをしたのは、疲れたとしても気晴らしになればいいなという、勝手な願いだ。そういう勝手さを、私はもっと持つべきだと思うけれど、遠慮する方が私が傷つかないから楽な方に行ってしまう。

 シューズはアシックスの、初心者用の、横幅が広めなものを即決した。どの靴も今履いている靴より間違いなく品質がいいから(なんてったって、10年くらい前に買ったものだから)悩む要素があんまり無い。予算は確保してたからその中に収まって履きやすければなんでも良い。

 店員のお兄さんがかなり語る人で、靴紐の通し方を教えてもらった。アシックスでは「 2段ハトメ」というらしい、そして他の靴でも採用しているものも多いらしい、2つの穴を利用した靴紐の通し方。あそびができず、より足に靴がフィットするという。実際ぴしっとはまって感動した。こんなの知るタイミングってありますか。「えー穴が二つあるのってなんでだろう」って思わないとなかなか厳しい。物事に疑問を持つことって大事だなと、改めて思った。はがきで郵送できるタイプの店員アンケートが袋に入っていたので、あとで時間があるときに「靴紐の通し方教えてもらって助かりました」と書こうと思う。

 母にスタバのドリンクを奢った。ほうじ茶は嫌いだけど、ほうじ茶ラテみたいなやつは好きなの、と言って、そういうやつを母は頼んだ。スタバ以外のチェーン店があってもいいけどなと思った。選択したい。