嵐の渦中

 ほんと煩いんだよな。私は舌打ちをする。

 

 機嫌がハイパー悪い。ハイパーボールってポケモンを捕まえるときのボールよね。モンスターボールとハイパーボールの間にあるスーパーボールが私は気になるけれど。鮮やかな青色のボール。どうして機嫌が悪いかってなんだか自分のペースが上手く掴めないからであって、それに今日は日曜日だし何にもしてないし眠たいし。駄々をこねた子どもか。先ほどからポカポカ飲んでいるアクエリアスは甘ったるくて、1.5倍に希釈したい。中学生くらいから「アクエリアスもポカリももっと薄めたやつが飲みたい」と言っていたけれど、実現はされない。セルフ希釈をせよということだ。まあちょっとは得するか。部屋が片付かない。プラスチックは控えていきましょうムーブメントに逆行して(逆らいたくて逆らっているわけではない)ダイソーでA4のファイルケースを買う。どこかに行くとパンフレットとか地図とかをもらいたがる人間で、それをとっておきたい人間だから、いいや、ファイルケースに入れてしまえ、そうして満タンになったら捨てなさい、ということにした。早速とっておいたパンフレットなどを入れていく。ゆでたまごを食べる。ゆでたまごにマヨネーズをぎゅっと絞ってパクっと食べる。卵でできているマヨネーズをつけて卵を食べるなんて、なんか「不毛」という感じがするけど、おいしいからいいか。疲れた疲れた疲れたどうしてこんな風に一人になりたがるのだろう、人と一緒にいられないのだろう。どうして他の人はあんなに喋ることがあるのだろう。喋りたいことなんて私には無いのに。ぶつぶつ。ケーキが美味しくない。私はもっと美味しく食べられるはずなのに、ちっとも美味しくない。私が煙草を吸うのならば、溜息を煙に混ぜて吐き出してしまうのに。よく溜息をついているねと言われる。あなたとの会話に嫌気が差してつく溜息もそりゃあ、あるわよ人間だもの。全体の2割くらいかしら。でも残りの溜息は他意がないの、ふっと気持ちを落ち着かせたくて吐き出しちゃうの。あなたのことが嫌だから鬱陶しいから溜息をつくわけではないのよ。でもそうね、誤解を招いていることは自覚しているわ。スーハ―。スーハ―。さっき外に出たら、もう日が暮れてあともう少しで夜という時間帯で、遠くの空に暗雲が立ち込めていて私はわくわくしてしまった。昔から雷は好きなの。ざあざあと大粒の雨が地面を叩きつけて雷鳴が轟いている、そういうのに興奮するのね。お祭りみたいで。お祭りなんて久しく行ってないな。人が多いところは好きじゃないの。浴衣、浴衣より甚平を着たいな。かっこいい甚平を。そうそう、歩きながら「人間が嫌いだわ」とか一丁前なことを考えていたわけ。あー人間が嫌いだ大っ嫌いって思った。まあ「人が嫌いである」こと自体は別にいいんだけど(だって人が嫌いでも人に優しくすることはできるしノープロブレムだ)結局めっちゃ疲れているときは頑張れないわけです。人に優しくできないし余裕もないから不愛想になり、そういう自分に嫌気が差して凹む負のループの完成ってわけ。そういう時は寝ろ寝ろ。さっさと寝てしまえ。考えたところでろくなことは思いつかない。わかっているけれど私はこんな文章を書いていて本当に眠たい。眠気は酔いに似ている。

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 と、ここまで書いて私は寝落ちした。体がバキバキだ。

 「毎晩死んでも、朝になると息をしている」という歌詞が最近のお気に入りで、本当にそうだね(体が痛い)と思う。Good morning(なのか?)嵐は過ぎ去った。淡々と今日を始めたい。