メモランダム vol.7

 思考が過剰気味だ。楽しいが収拾がつかなくなると困る。

喋るより

 喋るより書いた方が楽なにんげんだ。喋ることに極端に苦手意識を持っているわけではない。考えていることはある。話すことには事欠かない。それを場のTPOに準じて変換する作業が面倒という感じ。話すことはエネルギーを使い都度都度消耗する行為。プライベートより、仕事の方が学業の方が喋るのが楽だったのは、ある程度フレームが設定されている(されていた)からだろう。話すことはあるのだから、その枠に沿ってただ喋ればいい。雑談が苦手。躊躇なく話すことができたら、それは私にとって別のコミュニケーションになると思う。ありえないと思っている自分が嫌になる。事実、ありえないのでは。

カレー

 カレーを作った。かねてから作ってみたいと思っていたレシピで、手軽だが予想以上に美味しくテンションが上がる。白米、鶏のから揚げ、カレー。私の好きなもの。

 少し前に見た映画のことを思い出す。小学生の息子を事故で亡くした女性。開け放たれた窓、首を振る扇風機、音のしないテレビ。アパートの一室で女性は一人夕食を食べる。一口。腑に落ちない顔。決して崩れることの無い笑みを浮かべた息子の遺影を見つめて、箸を置くとぽつり一言。「すいません。味が落ちました」

 誰かの為に作る料理があることを知っている。食べてもらう喜びがあることもわかる。でも私にとって料理はもっと、自己中心的なものだと思う。自分の好奇心の為に作るものだから。それを引け目に思うつもりはないし思ってないけれど、寂しいことではあると思う。どうしてこうも他人を大事にできないのだろう、私、と思う。大事にできない? いいや。興味がないのだろう。

ウォーターボトル

 欲しいものは手に入れる私だからウォーターボトルを買う。現物に触れないまま買ったけれど、予想以上にいい。気に入っている。

 緑茶のパックを一枚入れると、水を並々と注ぐ。取っ手付きの蓋(これが推しポイントである)を捻って閉めると、指でひっかけて一緒に外に出る。冷たい空気。風が吹いていて空は薄曇り。休日の朝8時、散歩目的だろう、歩いている人は多い。時々立ち止まり深く息を吸いこみ吐く。お茶を飲んでまた歩き出す。冬の頃にはなかった影があちこちにできている。落葉樹の影だ。本格的に暑くなったら散歩はどうしよう。歩かないとおそらく不調になる。不調になるのは避けたい。夜に歩くか。夜しかないだろうな。

昼寝

 昼食後、強い睡魔に襲われたので横になる。気が付けば2時間くらい眠っていた。Tシャツの背中の部分が汗で心なしか湿っている気がする。いつのまにか空は暗い灰色。風が強くなってきた。明日にかけて下り坂とのこと。雨も悪くないという気分だから特に気にしていない。

退屈

 書くという行為は私にとって多重に意味を持つ行為だが、最近まいにちまいにち退屈だと書いている。つまらーん、と書いている。人生がつまらないと思うなんて随分恵まれた環境なんですね? という自己ツッコミは前提として、昔から大体退屈だった。退屈なので文章を書く。今日あったこととか考えたことを。そうすると書いている間は退屈さが紛れる。だから書く。退屈だなんて、ほんと贅沢な悩み。いや、悩みではない。悩んでいるわけではない。扱いに困っているだけだ。

 

 過剰気味で書いた物はあまり好きではない。ま、これで幾分落ち着いただろう(そうであってほしい)。自分のことばっかりで嫌になるから違うことを考えよう。