ジョグ vol.3

 雨雲と雨雲の隙間を走った。アスファルトは濡れ、街灯でぬらぬらと艶やかに光る。鈴虫があちらこちらで鳴り、道端に生えた長い雑草が脛に触れた。雨露が冷たかった。

 切り替えるということについて考えている。私には内省する時間が必要だと思う。それは例えば走るときや泳ぐとき、歩くとき、書くときだ。

 日常生活は荒れ模様の海のようだ。私は落ち着かなければならない。そうしてまた荒々しい大洋に船を漕ぎ出すことができる。