迷惑メールフォルダを時々覗くと思わぬ収穫があって楽しい。
今日はずばりこんな本文だった。
おひさしぶりです。LINEしてもかまいませんか？
たったのこれだけ。文は一瞬で通り過ぎる。私は「ぶはっ」と息を吐く。そして笑う。
内容的に迷惑メールでない可能性もあるのだけれど、念のためパソコンメールにも携帯の連絡先にも検索をかけて引っかからなかった。もちろん、メールを削除した、連絡先からも外した、という可能性だってある。私にも社交的だった時代がある。今よりずっと、私以外の誰かと活動した季節があって、もしかしたらその時の誰かかもしれない。しかしそんなこと知るか。心の中でそう吐き捨てる。要件があるならLINEじゃなくて今送ってきたメールにしやがれ、と思う。そもそも名乗れ。だから名乗りもしないこのメールは十中八九迷惑メールなんだ。
頭に浮かぶ様々な可能性を吟味しながら、一方で楽しくなっている自分がいておかしい。「LINEしてもかまいませんか？」だって。いいねえ。LINEが好きではないから「嫌です」と返してしまうかもしれないけれど、悪くない。
みんなはLINEをしたいのだろうか。いつでも誰かと繋がれることは苦しくないのだろうか。ふと、そんなことを考えた。
