赤と青

赤と青

 今は赤色と青色が好き。『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』の主人公はレッドでありブルーであった。それも影響しているだろうか? そうかもしれない。でも、この作品を読む前から私は赤色のノートを買っていたし、青い表紙のメモ帳を持っていた。

 赤は動脈で青は静脈のイメージ。冷静と情熱のあいだ。男と女の色。対として考えられがちな色。二律背反する、矛盾したイメージが気に入っている。どちらも持てたらいいなと思って、はっきりとした赤、目の醒めるような青のアイテムを見かけると、つい買いたくなる。

 今日も青のSARASAを買った。好きな文章を書き写すのに使うペンを探していた。おそらく、黒のSARASAの0.5mmがベストなのだけれど(1.0mmはノートに書くには太すぎる)そこをあえて青色にしてみたのだ。赤い表紙のノートに青色のペンで書くなんて。いいじゃない、私しか読まないものなのだから。

 システム手帳は赤色。財布は青色。パスケースは赤色。ルーズリーフ入れは青色。

 赤色と青色が好き。

来客

 人がやってきて5分足らずで早くも「一人になりたい」と思ってしまう。実際、適度に歓談したら用済みだと思って私は引っ込んでしまう。その辺り我慢しないのだ(いい振る舞いだとは思ってない)。誰かと食事をしていても、例えばそれが外食だったら、「あとで私一人でもう一度ここに来よう」なんて考えてしまうのだ。誰かと一緒にいると緊張する。呼吸が浅くなる。いつもより聞こえないし、いつもより香りがない。エネルギーを目の前にいる人の一挙手一投足に集中している分、一人で居るときより鈍麻するのではないかと思う。問題は、人と一緒にいて楽しくない、ということだ。これは致命的な問題だ。誰かと一緒にいるからこそ得られるもの、楽しみがあるのならまだいいのに、鈍る分に見合うだけのものを得られていないような気がするのは、まったくもって悲しいことだ。

その瞬間

 アメリ同時多発テロwikipediaを読んでいた。いちばん有名なのはワールドトレードセンターに旅客機2機が追突した事件だと思うけれど、あの日は他にも2機ハイジャックされ、一機は国防総省本庁舎に、もう一機は墜落したのだった。失われた命があった。

 自分の身に何が起こったのか知る由もなく失われる命も悲しいけれど、閉鎖的な空間で、命を失うかもしれないという絶望と向き合わざるを得なかった人たちの葛藤や苦しみが、私はどうしても気になってしまう。例えばハイジャック。例えば墜落事故。例えば電車脱線事故。例えば遭難。具体的に言えば、あの日ハイジャックされた旅客機に乗っていた人たちは、実行者含め何を考えていたのだろう。ビルに追突する瞬間、テロの実行者たちは何を見ていた?

 

 生活は岸による波皿ゆすぐ手