精神が不調だと物を買いたくなる気がするのだけど、仮にそうだとして言語化してみるなら、物を買うということは選択するということで、それはコツコツと心を叩いてその音に耳澄ますことと等しい。
不安定なときは拠り所が欲しくなる。薄くなった私の輪郭を濃くしたい。自問する。ねえねえ何が好き？何が食べたい、食べたくない？どの道を歩く？どこに行く？何をする？何をしたくない？
物を買うということははっきりとした出来事だ。買う？買わない？私は木槌でコンコンコンと叩く。ステッカーを買いますか。買いません。割高なので。ポチ袋を買いますか。買います。でも汎用的に使えるように無地のにしましょう。シールでも貼っておけばアレンジが効きやすい。応答が返ってくる。私は安心する。私はまだ物を考えられる。何かに対してYESかNOか答えられる。その音を聞きたくて、私は色々と物を買いたくなってしまう。
