出かける。今回は(今回も?)海の方へ。道中のお供は、彩瀬まるの『やがて海へと届く』。意図したわけではないが今日は東日本大震災から11年。毎年この時期になると読みたくなる、いや、読まなければならないと感じる。
朝マック
10:21というぎりぎりの時間にマクドナルドを見つけたので、ソーセージエッグマフィンのセット(もちろん付け合わせはハッシュポテト)をテイクアウトして海を見ながら食べることにする。気温が上がるとは聞いていたけど既に暑い。車ばかりが往来する一本道をよたよたと歩く。道端には梅(おそらく)が咲いている。
疲れていた。疲れが溜まるのは仕方ない。ただ日常の睡眠や運動ではどうしても癒せない疲れがあるようで、私の場合は気晴らしに出かけることが疲れを解消することの一助になっている、と思い込むことにしたのはここ数年のこと。疲れを別の疲れで覆ってしまおうという魂胆。だから時々思い切って出かける。遠くへ。誰も知らない、予想だにしない場所へ。
メガネ
12月に新調したメガネを持ってきていた。出かけの際は遠くの景色を見ることになるだろうから、そのときに替えればいいやと思って今まで度数の低いメガネをかけていた。遠くの良い景色を見ることで、目の奥の鈍い痛みや頭痛を誤魔化そうという思惑。今回は度を上げてるので新しいメガネをかけると世界がより鮮明に見える。今まレンズの形も変えたので見た目的にも新鮮だ。私はふふふんと上機嫌になる。(さっさと替えておけば良かったのでは?)
フェリー
ソーセージエッグマフィンを食べながら海を見ていたら、チーバくんがでかでかとプリントされたフェリーが入港してくるのが見えた。フェリー、乗ってみたい。フェリーというか船に乗りたい。船旅。海風。
実はこの時点で選択肢としてフェリーに乗ることはぜんぜん"あり"だったのだが、一瞬考えた後、今後の楽しみにすることとして今回は諦める。人生の分岐点が生まれ、瞬く間に通り過ぎていった。
ハイキング
山の上にある公園に行こうと思っていたら、図らずもハイキングの様相。これは登山なのだと自覚してスイッチを切り替える。どんなに低山であっても一瞬の気の緩みは命取り。滑って落ちたら生きてはいられないのだから。足先と手先に意識を集中させ、黙々と登る。春の陽気が思ったより堪える。汗がじんわりと額に滲む。ちょっと不快。
山の上で
山の上で醤油味の唐揚げおにぎりを食べた。時刻は14時を回っていた。歩きっぱなしで疲れていたので、手ごろなベンチに座りしばらく本を読むことにした。眼下には海が見える。
「みんなそうだったのね。どうしても死ねないって思いながら、たくさんの人が帰れなかった。あの時、起こったのは、そういうことだった」
(彩瀬まる『やがて海へと届く』)
14:30くらいまで本を読んで、山を下りることにした。下りている最中に14:46をむかえたので黙祷。引き続き転げることのないよう細心の注意を払い、下った。
たくさん歩いて疲れてしまった。今日はもう何も言葉を紡ぐことができないので寝る。また明日、今日のことは整理しようと思う。