髪が伸びてきた。頬にかかるのが気になり、耐えかねて、無造作に束ねるとシリコン製の髪ゴムで留めた。

考えごとをしながら、つい指で髪を触ってしまう。完全に外向けの、私のストレスによる所作だ(リラックスしてるときはやらない)。たんぱく質が、髪とか爪とかの元になるのだったか、ああ、今日も牛乳を飲むのを忘れてる、そんなことを頭の中で転がしていく。元々考えていたことを見失う。と、髪というのは冷たいものだな、とふと気づく。髪には、血が通っていないのだ。

次、髪を切るときはうんと短く切るのだ。ベリーベリーショートと言えるぐらいに。そうすれば髪の長さなど、冷たさなど気にならないだろう。プールに入る時のスイミングキャップも、すっぽりと被ることができて気持ちがいいだろう。