海とアイスコーヒー

 海辺でアイスコーヒーが飲みたいと思い、ただそれだけを頼りに海に行ってきた。

 道中で買えばよかったのだけど、海沿いにいい感じの店がなくて、結局都内に戻って渋谷の片隅にあるベローチェ(ここは結構穴場だと思った)でアイスコーヒーを頼み、飲んだ。でも、私はとても満足していた。アイスコーヒーなんて、外に出る(動き出す)きっかけに過ぎない。アイスコーヒーでなくてもよくて、信じられるものであるなら何でもよかった。

 足を海水に浸した。海から絶えず吹きつける風で暑さはそこまで感じなかった。

 濡れた足は揚げパンのきなこさながらに砂を引き寄せる。もちろん事前調査はしておらず、海水浴場というものがどういうものかわかってなかった。洗い場を見つけられず、しかたなく海水で濯いで、歩きながらの自然乾燥に任せることにした。そのあたり、私は雑だ。ああ、ペットボトルの水とか買えばよかったな。振り返ればそう思う。

 しばらく海沿いを歩き、適当なところで電車に乗り、帰りに餃子定食を食べて、ベローチェで色々書き出して、その日はおしまい。しばらく出かけていなかったから、リハビリとしてはいいのではないでしょうか。