じてんしゃ を てにいれた!

 タイトルの通り。ここ数年ずっとやりたいことリストに挙げていた折りたたみ自転車を手に入れた。今年中にはどこかで、と思いつつ、別に手に入れられなくても構わないという微妙な温度感でいたところ、たまたま訪れた店で現品限りで定価より安く(ボディに傷がついていたり塗装が剝がれている箇所があったのだ)売られていたので「買っちゃうか」と買ってしまった。いいのか、これでいいのか、と何度も何度も自問しながら。

 

 早速、電車でえっちらおっちら運び、輪行デビュー。重さは約7㎏と、これでもかなり軽い方らしく、持ちながら30分くらい散策できたので多分輪行は続けられると思う。家と最寄り駅の往復も結局輪行バッグに入れたまま運んだ。

 行先は1年前に電車と徒歩で訪れた多摩湖

haruno1114.hatenadiary.jp

 いいサイクリングロードがあるのです。去年は「多摩湖一周歩くのは流石にきついな」と思って先に進めなかった道を、自転車で進む。

 藤、かしら。藤の花ってとても綺麗なのだけど、綺麗だからこそ見ごろになると人で賑わう印象で、有名な藤棚に行けたためしがない。2023年は藤(仮)を見れた。やったぜ。

 

 天丼!(てんや)天丼ってそこまで好きな食べ物じゃないのだけど、「てんや食べてみたい」という、やりたいことリストNo.201を消化したいのでテイクアウトした。まだ温かい天丼の匂いが電車の車内に広がっていく気がして、急いでビニール袋の口を縛ってリュックの中に隠した。結果的には天丼で大成功。既に1時間半くらい自転車を漕いで消耗した体に、てんぷらの衣(油)が沁みる沁みる。きす、美味い。いか、美味い。いんげんも海老ももちろん美味しい。嫌いなカボチャは最後の最後になんとか食べた。それでも美味しかった。

 

 道中はこんな感じ。楽しすぎる。

 上りはひいひいとペダルを踏みこみ、下りになると自転車に身をゆだね、風になる。がががががと振動する自転車は、爆発寸前の宇宙船のように(まあ宇宙船には乗ったことはないけど、多分そういう風に揺れるだろう)不気味に恐ろしく揺れ「散り散りになるかも!」という恐れと楽しさが併存している。バイクと異なり、自分の肉体のエネルギーをペダルを通じて車輪に伝え動かしているという感覚が気に入っている。自分が頑張るしかない。そして自転車がそばにいる。私、自転車乗るの多分好きだな、と思いながら黙々と漕ぐ。「キノの旅」シリーズのモトラドには憧れたものだ。ただ難点は自転車に乗りながら写真は撮れないということ。こればかりは難しい。頑張って歩こう。

 そういえば、この多摩湖、一周は約12㎞らしいが、意外と歩いている人もいて「この人たちは、12㎞を(もしくは半分を)歩くのか…?」と怖かった。私も一般的な人に比べればよく歩く方だと思うけれど、12㎞歩いてねと言われるとビビる。結果的に20㎞ぐらい歩いていたとしても。なんというか、ゴールがわからないから、距離が見えないから歩けるということが人生にはあると思うのだ。去年の今頃の私もよくあの道を歩ききったなと、自転車で駆け抜けながら思った。世の中、たくさん歩く人がいて元気づけられる。私もたくさん歩きたい。

 

 多摩湖。去年と同じ、狭山公園の堤防で。風が絶えず吹く、気持ちのいい一日で、誇張抜きにしてこれで人生終えてもいいなと思った。残念ながら人生は続く。