メモランダム vol.15

展覧会

満開の桜が咲き誇る春の休日の公園は、まるで幸せの展覧会のようだ。その周りを歩きながら私は思う。嫌悪感や苛立ちは特に無く、そのような思いつきはシャボン玉として浮かびやがてパチンと消えた。

 

語彙

最近、わからないことを調べることが増えた。アサイーとは、シアーとは、懸河とは、パロサントとは。「なあに、それ?」とうざくない程度の温度で尋ねられるようになりたいと思っている。知らないということについて開き直りつつも、どうして私はそのことを知らないで生きてこれたのか、何故知ることになったのかということに対する眼差しを欠かさないこと。

 

寝息

赤子の寝息に既視感を覚え、しばらく考えてわかった。赤子の眠る姿は岸に打ち寄せる波に似ているのだ。

 

ドンキーコング

どうやら私はアクションゲームが苦手なようだ。薄々気づいてはいたが、マリオ、カービィドンキーコング、どれも苦手。モンスターハンターも無理。RPGは好き。ドンキーもディディーもすぐにやられてしまう。アルマジロみたいなやつに当たるだけで散る命、儚すぎる。マリオでいうクリボー的な存在。大きなきのこに当たったところで、せいぜいボヨンと跳ね返されて怪我もしないだろうに、なんて儚い存在なのだろう。

 

ステーキ

肉は、高級であればあるほど噛み切りやすい。ただ安いステーキ肉の噛み切れなさは肉を食べている感覚が強くてそれはそれで好き。私は肉を食べている。肉を食べるというのは、パワーがあるということを暗に示している。肉にありつけるのは強者であると相場が決まっている。肉の象徴性みたいなものを考えてしまう。