夢の中のハイキング

私は夢の中でハイキングをしていた。それとは別で、知ってるアイドルが白血病になった夢も見た。正夢にはならないだろうが、嫌な気分になる。なんなんだ、まったく。

夢の中でハイキングしている私は子どもの私で、遊園地の中や山の中をひたすら歩いていく。他の子どもたちも一緒だ。その日はよく晴れていて鬱々とした気配は微塵もない。だけど歩く私の心はざわめいていて、他の子どもたちとどう関わっていけばいいのか、常にバランスとタイミングを測っている。心中まったく穏やかではない、かつての嫌な記憶だ。

アスレチックゾーンを抜け(他の子どもは迂回しているのに何故か私だけ遊具を越えている)山の頂上にやってくると、昔ながらの喫茶店の入り口に置いてあるようなショーケースが私たちを迎える。透明なプラスチックのケースの中にハンバーグやパフェやケーキのサンプルと名札が並べられてるやつだ。パフェ食べたいなと思ったところで目が覚めた。

頭と目が痛い。私はもう子どもでもなければ、夢のようにハイキングする必要もないのだと気づくまでに少しだけ時間がかかって、ああ、あの夢は悪夢といえば悪夢だろうと思った。そして、少しずつ今の私になる。羽化みたいな、あるいはプリキュアの変身ではないが、目覚め後、覚醒しきるまでのあいだ「私になる」という感覚がある。社会性を再インストールする。そう、そういえば夢では途中で戦隊ヒーローも出てきたな。ジェットコースターに乗ってた。夢の気配は薄れつつあるからこれ以上は追えない。

Googleで「悪夢」と調べた。悪夢を見なくなる方法として、悪夢を書くこと、悪夢の続きをポジティブに書いてみること、というのがあるらしい。じゃあそもそもハイキングしないでほしかったな。望まぬ散歩は、散歩ではない。