幸運

 『アメリカの〈周縁〉をあるく 旅する人類学』を読んでいる。そうそう、てへてへした本がまさにこの本で、分量は残り4分の1くらいだと思う。
 また、先日は江國香織の『彼女たちの場合は』を読み終わった。
 奇しくも、それぞれアメリカを旅している。一方はノンフィクションであり、一方はフィクション。

 「奇しくも」。本を読んでいると時々こんなシンクロニシティが起こる。私はこの奇妙な共時性(同時性)を「幸運」と呼んでいる。
 別に、アメリカなるものに興味があるわけではなかった。私は人類学に興味があって、旅なるものが好きで、江國香織の小説が好きで、たまたま本屋で手に取り図書館で借りただけのこと。アメリカは意図せぬ偶然。しかし、時々、惑星と惑星が接近するように何かがリンクし摩擦が発生し火花が散る瞬間があって、その刹那、私は身震いする。よっしゃあと快哉をあげる(心の中で)。

 それが読書の醍醐味なのでは?と思うぐらい、楽しい一瞬だ。複数の本を同時並行に読む気まぐれ気分屋な自分だからこその楽しみかもしれなかった。

 シンクロニシティは読みながら待つ。

 「シンクロニシティ」と検索バーに打ち込んで検索ボタンをクリックしたら、乃木坂46のMVが出てきた。この曲は聞いたことがない(少なくとも、曲名とメロディが結び付けられていない)。この曲を聴いて今夜は寝ようと思う。本を再び読めるようになって良かった。8月に入ってから本を読めてなかったので。