桜の写真はもう撮らない。月単位で撮った写真をまとめ、それを何年も繰り返していると、もう同じ写真は撮りたくないと思ってしまう。厳密に言えば、同じ写真などは無いはずなのだが。

桜の写真は4,5年前に撮った。だからもう撮らない。

少しだけ散歩をする。家の近くにはいくつか桜の木が植っていて、白い花をこんもりと咲かせた夜の桜は、美しさと同時に不気味さを感じる。今年は今の今まで桜に無感動だった。いや、無感動である振りをしていた。本音を言えば、2週間を待たず散ってしまうだろう桜に寂しさを感じるし、寂しさを通り越して苛立ちさえ抱く。どうして散るのか、と思うし、そんなドラスティックに変わらないで欲しいと思う。劇的な変化は怖い。桜であれ、なんであれ。微々たる変化から得られる刺激でそこそこに楽しく生きられる体になったらしい私にとって、桜が散ることは大きな変化すぎる。

変化を恐れるなかれ。硬直化を避けること。柔らかくありたい。