スコーン!

 自分が落ち込みやすい人間なのか否か。それはさして問題ではないと思う。問題なのは「落ち込んだとき」その瞬間であり、「スコーン!」という言葉、音の響きに違わぬ落ち込みであった。正直なぜ自分がここまで動揺しているのか、自分でも理解ができない。多分いろいろなものが瞬時に視えてしまったのだろう。正しいvisionではない可能性、私の杞憂である可能性は大いにあるのだが。そういえば「スコーン」という菓子があると思う。妙なこだわりで、とうもろこしベースのお菓子はポップコーン以外苦手、というのがあるので、湖池屋のスコーンもあまり食べないスナック菓子だ。余談である。

 やれやれ、これだから他人と関わるのは嫌なのだ、と思ってしまう(直情的だ)。時々、あまりに考えすぎる。私の肉体が許容できないほどに。

 落ち着くまでに、少し時間を要するかもしれない。とはいえ、どこかには着地するだろう。波が立った湖面が鎮まるのを、静かに待つ。

 

 ノートを買う。動揺したその足で、細長い商業ビルのエスカレーターに飛び乗り(ガンガン右側を上っていく人はいなかった、良かった)買おうと目星をつけていたノートは置いてなかったので、それなら類似の横長のノートを買うか(思考を吐き出したかったのだ)と陳列棚を行ったり来たりして、気づいたら手のひらサイズのノートを買っていた。さらば測量野帳。やっぱり、測量野帳にせよRHODIAにせよ、方眼の線の色の強さが使用しているうちに鼻についてくるのだ(出てこないで!となる)。

 スマートフォンとセットにして身軽に持ち歩けるサイズのノートだ。それに紙質がとてもいい。薄くて捲るときにぺらりと音がする。書き進めることが楽しくなる。さっそく書き出していって、じゃあそれで楽になるかと言うとよくわからず、だけどまたひとつ相棒ができた気がして、気分が上向きになる。