ツイストパン

 今日は休みだ。朝から出かけない日は、朝に少し散歩をする。もっと暖かくなったとき、それがどうなるかはわからないけれど(あるいは去年の私はどんな風に過ごしていたか)いずれにせよ、今はそういう風にやっている。

 少し歩いたところにパン屋があるのは知っていた。今日はそこへ行ってみようと思った。

 いつもは行かない方向に、いつものように音楽を聴きながら歩いていく。

 よく晴れていたから出かけても良かったと思いつつ、ここ数日(私の中では)よく運動していたもので、疲れているように思えた。なので今日はお休み。

 少し歩くと、道に幟が立っていてはためいている。「パン」と書いてある。左の小道に入れ、ということらしい。言われた通り(実際に幟がそう言ったわけじゃないけど)曲がると、お目当てのパン屋はそこにあった。営業中という小さな立て看板も立っている。マスクをして、白いドアを引いた。

 ラックに様々な種類のパンが並んでいる。ラックの上にはチョコブレッドとビニールに包まれたサンドイッチが並んでいる。

 こんにちは、と挨拶をする。多分「おはようございます」という時間帯だけれど。おはようございますは、イコール「今日一日よろしくお願いします」というニュアンスを勝手に感じる。だから一瞬の出会いは、こんにちは。

 色々と買う。素朴と呼んでいいカテゴリのパンが多い。とりあえず食べたいものを買って、お会計をした。値段も手ごろだ。いい店だと思う。

 そのあとはいつもの散歩コースに合流して、ぐるっと回って帰った。

 そして私はツイストパンに感動している。生地をひねって焼き上げたものに細かい砂糖がまぶしてあるパンだ。私が感動したのはその甘さで、例えば手軽に手に入れられる市販のそういうパンは甘すぎると感じる一方で、このツイストパンの甘さは絶妙だった。軽やかに甘いと言えばいいのか、食べても負担に思わない甘さ。もちもちとした生地は小学生の頃食べ慣れてしまった揚げパンに近いかもしれない。ずっと揚げパンを食べたいと思っていたので、少しだけ揚げパン欲が満たされた気がした。

 時々足を運びたいと思う。次はツイストパンを二個買いたい。