解凍

 出かけた当日はさほど日記を書かない。だいたい朝に書いた分だけになる。帰ってからは何も書けない。そして出かけた翌日もまた、日記を書くのが辛い。それが面白い。

 心が硬直しているようなのだ。多分、あまりに充実しすぎて、また色々なものを溜め込んで、吐き出し方がわからないのだろう。例えるなら、溜まった液体の量に対して排出する管が細すぎるのだ。だから、一気に書き出そうとするとうまくいかない。そういうときは、3分だけ書く、と決めて、少しずつ少しずつ外に出していく。整理していく。私はそれを「解凍していく」と呼んでいる。

 書けないからと書かずにいると、そのうち硬直が慢性的になり調子の悪化に繋がる。イベント事の後に調子が悪くなりがちだったのは、そういうメカニズムだったのではないかと、今なら思う。