明日がいい日でありますように

雪はおおかた溶けた。昨晩歩いた道と同じ道を同じくらいの時間に歩く。雪が降ると夜なのに明るいことを知る。降りしきる雪の影が街灯の光で生まれることを知った。雪はおおかた溶けてしまった。雪景色が剥がれ、濡れてつやつやと光る慣れ親しんだ街がそこにはあって、今日という一日を、この時間になって初めて認知した気分だ。明日がいい日でありますようにと思った。明日には雪は溶けきってしまうだろうけど、明日の私は明日を認められるだろうか。