ムーンライト 〜散歩に行く vol.11〜

森永ビスケットのムーンライトが美味しかった勢いに乗り、チョコのやつとアーモンドのやつを一箱ずつ買いに出かける。ついでに素麺も。

ムーンライトは優等生みたいなビスケットだ。澄ました顔をしている。私は最初それが気に入らなかったのだけど、いつもどんな時でもしっかりしているムーンライトの心強さに安心することもあった。もうちょっと野生味のある、ゴツゴツガリガリ食べ応えのあるクッキーの方が好きだとも思った。ムーンライトもとても美味しいが。そのうちクッキーを探す旅に出かける日も近いかもしれない。

なんだかそれって、好きな人のタイプみたいだね、と茶々を入れる私がいる。そうかな。一般的にはそうかもしれないけど、私の中で対人間に関してそういう好みみたいなものはないよ、と答えた。嘘おっしゃい、ともう一人の私は追及する。まあ、嘘をついたね。好みはある。でも、好み止まりだ。積極的に人と関わらないのは変わらないわけだし。

ムーンライトを買いに出かけた日、月は見えなかった。ポルノグラフィティの「今宵、月が見えずとも」とB'zの「今夜月の見える丘に」をセレクトした。ふざけてる。おうよ。たくさんふざけたい。月は見えるのか、見えないのか。

言葉が堰き止められている。一つ一つを掴みたいし、その為の試行錯誤は方向として悪くない。手応えはある。けど一日はゆっくりと同じように流れていくから焦ったくて仕方がない。成果が見えない。見える必要もない。実感を咀嚼し血となり肉としていくには集中力が必要だ。