落ち葉 ~散歩に行く vol.3~

 散歩。空気が冷えている。秋がそこにある。

 向井太一「I Like It」。テンションを上げる曲だ。散歩の最初にどういう曲を選ぶかというのは完全にそのときの気分に寄るもので、散歩の中で一番難しい。決まっても、決まらなくても、決めなければならない。歩きだしているので。

 indigo la Endの「名前は片想い」。このグループはどことなく秋冬が似合うイメージ。真夏の真昼間に聴くイメージがなくて、それを「そうだね」と笑っていいのか笑っちゃいけないのか悩ましい。車が多い。風が強い。充実感と同居する、もうお腹いっぱいだから終わりにしたいのですが、という気持ちの扱いづらさ。色づき落ちた葉の色の美しさ。

 嵐のTurning up。昨今世間を賑わせているジャニーズの問題について考えざるを得ない。アーティストや曲が無関係だとは言えない。嵐の曲を聴いてジャニーズ問題を想起してしまう、という影響を与えてしまっている。ジャニーズ問わず、二度とこのようなことが起こらないために何ができるのか(何ができなかったのか)ということをどれだけ考えられるだろう。ジャニーズ問わず、あらゆるものをどのように好きでいるべきなのだろう。誰かの尊厳を踏みにじった上に成り立つ「好き」は許されるものではないというか、それで「好き」を正当化するぐらいなら何も好きにならなくていいと思うのは、自分がある意味で丈夫で人を信用していないからか。考えることは尽きない。

 価値の転倒というのか、物事は良いことと悪いことの両面を持ち合わせており、同じ人間のことを言うにも一夜で評価が変わるということはよくある。何に照準を合わせているか、ということだ。好む、ということは極端な在り方なのだろうか。好きであり嫌いでもある、でも信仰はしていない、という状態についても考えたい。

 もう少し語るけども、自分が「いいなあ」と思うアイドルが「やらかす」ことが度々あって、もう既に3人はあるので、私の見る目がないというか、いや、そういう不安定な要素、ある種「浮いている人」に惹かれるところがあるのだろうと思う。結果論でしかないような気がするけども。何かを好きになり失望したことはなくて、「ああ~やっぱりか~」とか「そうだよね~」とか、そういう納得を伴うことが多い。人間、良いこともあれば悪いこともあるのだなと思う。それはそうだ、長所と短所は裏返しの関係であることが多い。人に惹かれるということは、なんというか、難しいものだなと思う。Turning upは名曲。嵐のメンバーの特徴ある声が上手く昇華されている。

 店先の落ち葉を掃く人。掃き掃除。Perfumeの「スパイス」。ループすることでメッセージが明確になるPerfume節。