グロッケン

澱んでいる今、グロッケンを唐突に思い出す。記憶の中のグロッケンは、黒のいかめしいケースに入っていて、おそらくは持ち運べた。プラスチックの細いマレットを手に取り、コンと叩けば、涼しい音が鳴るだろう。その音をなるべくしっかりと思い描くよう意識する。言葉に変換しづらいとか、一度別の抽象的なイメージにして適度に出力を調整してから書くと上手くいくのではないか、という根拠のない思いつきである。