黒赤白薄青

白い街灯の灯りに、前を歩く一人と一匹が、微かに照らされる。犬種と車種を覚えられない私は、一匹を柴犬と断定はできないけれど、柴犬のような犬の尻がリズミカルにふさふさと揺れるのが見える。リードは赤色。センスがいいな。何様だよ私、だけど。白いTシャツ、薄青の長パンツはぶかぶかだ。成長の余地を残した少年と青年の狭間の一人が、時々道端に心惹かれる犬をリードで手繰りながら黙々と歩くいい風景。それがその子でなければ(例えばおばさんとかおじさんだったら?)私はかくも情緒をかき立てられなかっただろうと思う。