家系ラーメン

去年の今頃の私は家系ラーメンを食べていた。真っ赤なカウンターのお店だ。15時ぐらいなのに二、三人の列ができていて、リュックを背負う私の背は汗でしっとりと湿っていたことを覚えている。リュックを体の前に回して本を読みながら待つ。汗でシャツの色が変わってしまっているだろうか。後ろの人? ええい、気にしない。

味は覚えていない。多分おいしかったのだろう。ミルキーで醤油豚骨のスープ、ほうれん草、たまご、少し太めの麺、海苔、そして米。

去年の私は偉いなあと思う。来年の私もおそらく同じように思うだろう。長い長い散歩の末に(本当に長い散歩だった、歩き過ぎてくたくたになったことも覚えている)家系ラーメンを食べる行動力は、今、この瞬間の私には無い。明日の私にはあるかもしれない。でも今は無い。できないときはやらなくていい、できるときにやりたい。できるときにできたことが自分を動かしてくれると思っている。例えば私に家系ラーメンを食べさせてくれた、とかね。今食べたいのは二郎系ラーメン、クレープ、皿うどん、スタバのアイス抹茶ティーラテ。