サターンバレーに揺られて

 生後4ヶ月の乳児(甥)が哺乳瓶でミルクを飲んでいる様を見ると、ああ、人間というのは哺乳類なのだなと思う。乳児はミルクを飲むが、そのミルクだけでぐんぐんと成長していくのが、とても不思議だ。

 「どうやらこうらしい」という経験則の積み重なりの結果の育児。横抱きではなく縦抱きの方が寝つきが良いので、私は抱っこ紐を嬉々として取り出す。体重が増えれば「嬉々として」ではなくなるだろう、今のうちに好きなだけ体験しておくのだ。24時間乳児と接している大人にとっては、今も既に「嬉々として」ではないのだろう。いいとこどりをしている自覚はあるが仕方がない。

 自然とリズムが生まれる。ずっちゃずっちゃずっちゃのリズムが。さて、何だったかなと考えながら、なお、ずっちゃずっちゃずっちゃと揺れていると(乳児は既に眠っている)ああ、MOTHER2か、と思い至る。MOTHER2どせいさんのテーマ、正確にはどせいさんの集落であるサターンバレーのテーマで、聴いてもらえればわかるけれど、とぼけた「ずっちゃずっちゃずっちゃ」のリズムである。こうなったら筋トレだ!と、実際に曲を流し、リズムに合わせ、乳児を抱きながら、軽くスクワットをした。楽しかった。