クラゲ

 先日、夕暮れ時の隅田川沿いを歩いていると、半透明のクラゲがふよふよと川に浮かんでいた。ビニール袋かと見間違えそうなクラゲで、それはもうたくさんの数が漂っていたものだから私は「大丈夫か」とぎょっとした。大丈夫って、生態系的に。異常発生とかなのかしら、云々。

 思えば、クラゲというのは海の生き物のはずで、川で生きていけるのかしら、確かに隅田川はやがて海へと注ぐ下流下流の川だから海水も混ざっている?とGoogleで調べたところ、異常発生というよりは、潮位の変化で海からやってきてしまったクラゲらしい。淡水には耐えられないようなので、私が見たのはミズクラゲの死骸であった可能性もある。あれが、死骸だったのか?

 隅田川沿いは歩道として整備されている。時間にもよるが、川面が高く近くに迫ってきている。東京湾の、潮干狩りのときの独特の匂いが鼻につく。有機的な生と死が混在した匂い。