街灯

ある休日の記録である。

夕暮れ時になり、私は自分に鞭を打つとガサガサと身支度をして外に出た。朝、出られない。昼、出られない。夜は寒いだろう。そして、今日は夜空を見たい気分でもなかった。夕暮れを逃すと、逃した分だけ私は自分のことが嫌いになる気がした。自信は行動しないと得られない。いや、行動した方が手軽に手に入れられる。

家々の間をまっすぐと伸びる裏道をひたすら歩く。人気は皆無。空は、ぼんやりとした赤、青、紫、灰とガスのような雲が混ざり合って心地よいグラデーションが生まれている。夕方である。

街灯が灯っている。鋭く強い白色光がこちらを見てくる。夜の道より夕暮れ時の方が光が強い気がして(強さは同じなはずなのに)イルミネーションより余程きれいだと私は思う。ポケモンリーグの最終戦みたいな演出だ(おそらくルビー・サファイアのチャンピオン ダイゴ戦前の長い長い道)。

歩いて歩いて、たどり着いたスーパーでカルピスの原液だけを買って、外に出たら夕暮れはとうにどこかへ消え去り、長い夜の始まりがすぐそこにいた。つまらなさを感じた。