縦書き

 手持ちの万年筆のうち、一本が長い間ずっと不調で、試しにインクを替えてみることにしたらこれがビンゴ、やっぱり同じメーカーのインクを使わないと駄目ね、と気分新たに(そもそも説明書にはそう書いてあるのを横着した私が悪い)しかし、これから益々万年筆ライフが充実することと思うと嬉しい。

 早速詰め替えた万年筆で、縦書きで文章を書いていくと、やっぱり日本語は縦書きの方が書きやすいや、と、どんどんアクセルがかかっていく。疾走感。

 インクの色は灰色にした。過去の私が「灰色のインクを使いたい」と書いていたからだ(やりたいことはリストにしている)。灰色にも色々あって、手に入れたインクは赤紫色が微かに混じっている灰色だ。

 インクが固まらないよう、日替わりローテを回しながら使っている万年筆、不調のものだけ書き味がいつも引っかかって、そのことにイライラして嫌いになりかけていたけれど、今後はそれぞれを平等に愛せそうだ。