小雨

この時期は着る服が悩ましい。少し考えた挙句に、もう一枚羽織ることにして外に出たらちょうどよかった。徹底的に夏なら半袖でいいし、徹底的に冬なら着込めばよく、その間は難しい。気温に関してあまり頓着しないというか、天気予報を確認する癖がなく、時々見ようにも17℃/11℃をカバーする服って、何? わからない。そろそろ本当に服に対してどうでもいいという感覚が強くなっている。どうでもいいということを突き詰め機械的にやっていくかなあ、と思った。女だからってファッションに興味があるなんてそんなことはない。小学生の頃から身に沁みて感じている。

外は小雨が降っていた。長傘か折りたたみ傘か悩む。帰るときのことを考え折りたたみ傘を選んだ。黄海松茶色(驚くことにそんな名前が色にはついている)の傘。あんまり気に入っていない。そもそも折りたたみ傘が苦手なのだ。長傘よりか細く不安定でコンパクトにしないといけないもの。堂々とした長傘の方がわかりやすく好ましい。ややこしいものに対して私の思うところが反映されてるのかもしれない。

歩き始めると雨が傘を打つ。ぱらぱらと小気味よい音が聞こえる。この地域は寒い雨は寒い雨のままで、だから秋から冬に降る雨は音が鳴る。ぴりりとした寒さと雨の音の組み合わせは悪くない。ぜんぜん、悪くない。

見知らぬ地でこんな風に寂しく歩きたいものだ、と思う。天気が悪いとそれだけで予定を変更したりするものだけど、雨だって風情があって悪くない。天気を鬱陶しがるな。

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今朝方、机の上に積んでいる本に手を伸ばしたとき、ああ、だいぶ疲れているかもしれないな、という感覚が「降りてきた」。自分なりに頑張りすぎてた感じがする。傍目から見たらそんな風には見えないだろうが、とりあえず自分の中の感覚を認めると、それは頑張ってたということになる。

解さないと、ケアしないと。そう書いてはいても実際のところできてない。頑張りを上乗せしてしまう。今、自分は何に引っ掛かっているのか。