サンダル

 3年前の5月18日に買ったサンダルとお別れすることにした。あまりに私があちらこちらへ歩くからか(総歩距離はなかなかだろう)あるいはサンダルの構造的欠陥か、底がどんどん擦り減ってしまいそれが心配だったこと、あとは足が前に滑ることで指が少し前にはみだしてしまい砂利道を歩くとき指を石に引っ掛けそうで怖かったから、という尤もらしい理由があるが、要はそろそろ潮時ってことだ。

 閉店30分前の店に入り、良さそうなサンダルを発見し、自分の足のサイズがあることを確認して棚から箱を引き抜く。店の隅にある椅子に座って試し履きをし、問題なさそうなことを確認して箱をレジに持っていくまでが10分。目当てのものを見つけて買うまでは我ながら短いと思う。

 夜。慣らす為、買ったサンダルに厳かに足を入れてきゅっとベルトを締める。そして家を出た。ベルトの部分はしばらくは擦れてしまうだろうけれど、一回りした限りでは問題なさそうだった。このサンダルなら遠くまで歩いていけるだろう。