朝の匂い

外に出るということは、真夏のプールに飛び込むことに似ている、と気づく朝だった。勇気が必要。だからこそ気持ちが良いもの。

香るではなく、意識的に匂いを嗅ぐ。

外で、かつ、人がいない場合はマスクを外すようになったが、なるほど、空気は香るものだ。

朝の匂い。夜によって濾された、その日の始まりを告げる匂い。今日はこの匂いで満足なので、今すぐ引き返して布団に潜り込みたいと思った。寝たい。やれやれ、一日はこれからだというのに。困ったことだ。