フォークで食べたい

 パスタを茹でる。7、8分ほど。パスタを茹でながら『ミルクとコロナ』を読む。いい往復エッセイだ。まだbefore コロナパートで筆者ふたりの育児をめぐる話が続く。お湯がぐらぐら揺れる。パスタが茹でられる。

 面倒なので市販のパスタソースをかける。今日はツナマヨ。付属の刻み海苔では飽き足らず、改めて別に海苔をぶっかける。でも海苔をかけておきながら思うけど、海苔の味ってよくわからないのだよな、じゃあかけなくてよくない? でも海苔はかけたくなってしまう。そういうもの。

 昔は家で作るパスタ(というかスパゲティ)は箸で食べてた。茹でる間菜箸でゆらゆらほぐすのが面倒で、いいやと、食べる用の箸でゆらゆらしてた。で、そのまま自分の箸でスパゲティを食べる。でもここ1年で気づいたけど、スパゲティは箸ではなくフォークで食べた方が好きだ。くるくるとフォークに巻き付けて大きく口を開いてこぼさないようにしてもぐもぐと咀嚼して飲み込むまでがスパゲティなんだね。むしろくるくる巻き巻きがスパゲティなのだと、そう思うようになった。

 だから私は既に冷えかかったツナマヨ味(海苔たくさん)のスパゲティを巻いて巻いて巻いて小さくまとめてそれから口に入れて食べておいしいなあとしみじみした。私はスパゲティはフォークで食べたい。