シロツメクサ

 シロツメクサが繁茂する広場。その端にあるベンチに座り私はじゃがりこサラダ味を食べている。

 私は風のことばかり気にしている。風が吹いているかどうか、よほど気に入ったらしい。だって風が吹いていれば息がしやすいもの。今日は風が吹いている。日本の夏は風が吹かないイメージがある。風が吹かなくなれば、それは夏がやってきたということ。

 高校生か大学生か、友だちなのか友だちではないのか。一人は膝に黒のサポーター。靭帯を負傷したのかもしれない。松葉杖を片方だけついている。もう一人は肩からバッグを提げ二人は足並み揃えて会話しながら歩いている。広場の周りをぐるぐると回っているようだ。足を怪我した人のリハビリに付き合っているのだろうか。そういうの、良いなと思う。会話しながらであればぎこちなさを伴う歩行も気が紛れるというものだ。

 中学生くらいの男の子と女の子がサッカーボールをパスし合っている。小さな男の子がシャボン玉を吹き、女の子が赤くてペダルがない自転車を乗り回している。じゃがりこを食べているのは私ぐらい。