ノート

 使っているノートがもうすぐ終わりそうだったので(今回もちゃんと最後まで書き終えることができそうだ)次に使う用のノートを見繕いに行く。

 

 洋服でも本でも食べ物でも、何かを買うということは何かを選ぶということであり、何かを選ぶということは何かを決めるということなのだと思っていて、自分の精神状態の試金石ではないけれど、リトマス試験紙のような、そういう気がしている。

 ノートは、表紙と裏表紙、紙とリング、その他オプションで自由にカスタマイズできる為、直感できめた。

 表紙は少しラメが入っているというかちらちらと光沢があるメタリックな深いブルー。紙はつるつると書きやすい白の方眼紙、裏表紙はグレー。いちばん悩んだのは表紙に対するリングの色で、金銀銅が無難というか合わせやすいと思ったけれども、そこはメタリックな緑色にしてみた。ここで発色の良いピンクや白色、黄色、赤を選べると面白いのだけれど、半年以上付き合うノートになるので冒険は控えた。

 深海のように静かに淡々と生きられたらいいなという願いを込める。

 寺社でお参りする際は願うことなど思いつかないのに、ノートには願いを込められるのだ。我ながらおかしい。まあ、ノートは目に見えるし。