今日の記憶

 今日の記憶が無くてびびっている。今日、私は何をしていたっけ。

 ということを書けるだけでもいいかとも思う。

 

 あまり褒められたものではないけれど(糊が残ったり剥がすときにページを破ったら大変だからだ)読みかけの本につけた付箋。ページをひらこう。

 聞いてほしい。

 生き抜くことを忘れずに。

 その年月は愛に費やされる。

 あとに残るのは月と灰。

 (アリ・スミス『ホテルワールド』p.43)

  ハッとした。生き抜くことを忘れずに?

 なんて陳腐な表現、と思うのと同時に、生き抜くという言葉の強さに胸打たれる。生き抜く。生き抜く、か。