落ち葉

 柔らかくあたたかな日差しの気配。

 私は俯きがちに一歩一歩足を前に出す。ゆっくりと歩きながら地面からの反発を楽しんでいると、くるくる回りながら滑る落ち葉に追い越される。かさこそと音が鳴る。

 顔を上げると私の頭上にはぽきりと折れてしまいそうな木々の細い枝が広がっていて、節々がやけに目立つそれは、誰かの指を彷彿とさせる。私の指ではない、誰かの。

 赤や黄の葉擦れ。晩秋が近づいている。