エビマヨ

 スーパーに寄る。おにぎりのブースは、総菜売り場の隅、柱のところ、金属のかごの中に三角系のおにぎりがまだ残っている。

 私はその中から「エビマヨ」の単語をみとめると手を伸ばし、それを手持ちの買い物かごの中に入れた。既に舞茸と小松菜が入っている。おにぎりは一律99円、他にどんな味があったのかは知らない。エビマヨが見えて、私はエビマヨが好きだから、それをかごに入れるだけ。

 帰宅。荷物をほどく。PCでインターネットを回遊しながらおにぎりのパッケージを剥がしていく。三角形の角にかぶりつく、無意識の流れ作業、本当は~ながら食べることは避けたいのだけど。米の確かさと海苔、エビマヨには届かない。

 スーパーのおにぎりと言うのは博打的な要素があって、店によって米のコンディションは様々、このスーパーの米は「まずまず」だ。

 おにぎりを食べる。一口、二口。まだエビマヨは見えない。三口目、ほのかにエビマヨ、四口目、私は気づく、このおにぎり、エビマヨが少ない。

 私は落胆しないし苛立ちもしない。99円だもの。エビマヨが(特にエビが)少なくても文句は言えない。デフレだなあとか、侘しいなあとか、そういうのは感じる。おやつにおにぎりを食べようとして(そして食べて)すいません、と詫びたいような気持ちになる。

 おにぎりを食べ終え、今日も今日とて面白いことがあったなと思う。