たまごサンド

 その電車に乗りたいので、遠路はるばる電車を乗り継ぎ、乗りたい電車に乗り(正確には、電車に乗りたいというよりは、その路線を走破したかったのだけど)公園を散策して帰宅した。

椿

忘れられたボール

キャベツではない、おそらくは

 たまごサンドを食べたい欲が高まっていて、その一端として、目下たのしく遊び中のポケットモンスターSVに登場する新ポケモン「パモ」(ねずみポケモン)に「たまごさんど」と名づけ、後日訪れたその駅の、行ったことのないスーパーに寄ってたまごサンドを買った。自分の住む場所の近くにはないその土地ならではのスーパーというのは、心躍る場所のひとつだ。休日で店内は人が多い。

 園内を散策して、人気のない温室の近くのベンチに腰掛け、たまごサンドを食べた。とてもおいしかった。これからの時代は、たまごサンドだな、と思った。

 常々思うのだけど、コンビニのサンドイッチはおにぎりより価格が高いことが多い。それはそのはずで、食パンを贅沢に二枚使っていて、種類に寄るけども具材も様々で、だからサンドイッチというものはああいう食べ物になるはずだ。子どもの頃からおにぎり派の私は、サンドイッチというのはなんて贅沢な食べ物だろう、と思っていた(それは今も変わらない)。

 でも、たまごサンドだな、と思う。たまごサンドを作る工程を想像してみる。食パンを二枚取り出して、縁を切っていく。たまごを茹でる。本当は二つ欲しいけど、一つにしておく。殻をむいて、ボウルの中で潰して、マヨネーズと味の素を数振りして、混ぜて、バター(私はマーガリンにしておく)を塗った食パンの上で均して、挟んで、切る。手間過ぎる。が、故に尊い

 たまごサンドを作って、包んで、それを持ってお出かけするには、私はまだ成熟していないと思う。たまごサンドを楽しめる、余裕のある人間になりたい。それまでは、時々たまごサンドを持って公園のベンチで食べたいと思う。これだけたまごサンドのことを書いて、肝心のたまごサンドの写真は撮り忘れてしまった。