特性「かそく」の私とTODOの外

 TODOリスト、という考え方(どちらかというと「ツール」と呼んだ方がいいだろうけれど、私は考え方という体裁で書いていく)がある。やらなければならないことを箇条書きにして、一つ一つ消化していくスタイルである。

 これまで生きてきて、TODOリストを前に、私は挫折してばかりだったのだけれど、ここ最近改めて生活に取り入れてみて思いのほかうまくいっているようだ。その理由? これはインターネットからの受け売りで、一つ一つのTODOを細かくすること。細分化。

 TODO、という考え方自体はそこまで肯定できないのだ。何かを為すことに価値があると信じているようで。確かにそれは素晴らしいことではあるのだけど、何かを為せなかったとき、自己(あるいは他者)否定に繋がりそうで嫌なのである。

 が、それはそれとして、私とTODOリストの相性はいい。

 ポケモンの中には「かそく」と呼ばれる特性を持つポケモンがいる。最新作のスカーレット・バイオレットならクエスパトラが筆頭ポケモン。調べてみると、1000匹を超えたポケモンの中で、ヤンヤンマメガヤンマと、クエスパトラの進化前ポケモンであるヒラヒナしかいないらしい。まじか。ちなみに、クエスパトラはキャラクターデザインがめちゃめちゃ好きなポケモンである。ダチョウ好きだからなおさら。

 特性「かそく」というのは、ターン毎にすばやさが1ランク上がるというもので、私の特性は「かそく」みたいなところがある。やることをひとつクリアすればその次を、その繰り返しでどんどん先に進みたくなる性質。でも。多分、多くの人がこういう性質を持つのではないかと思う。TODOをひとつこなせば、次のやることへのハードルはぐっと低くなる。問題は、最初の一歩がめちゃめちゃ重たいということなのだけど…。

 やりたいこと、気になることがぽんぽん浮かび、収拾がつかなくなりがちな私にとって、TODOでとりあえず思いついたことを挙げておいて、あとでそれを整理するというやり方はめちゃめちゃ良い。そして今日やらなければならないと思っていたことを9割ぐらい消化できれば、気持ちよく眠ることができるというものだ(私は寝たいときにすぐ眠れるのだが、その日に何か未練があるとぐずぐずと寝る時間を先延ばしにし、翌日体調を崩すということがままある)。

 一方で、TODOにしないこともあるのが面白い。例えば、ブログの記事を書くという行為はTODOにならない。散歩もTODOには載せるけど、あくまでタスクの前後関係を整理したいから書くだけで(散歩の前に勉強をし、散歩が終わってから調べ物をする、といったように)「しなければならないこと」以上に「私がやりたいこと」であってほしい。何をTODOとし、何をTODOとしないのか。完全に言語化はできない両者の境界に、私の願望や価値観が織り込まれているのだろう。

 放っておいてもやることはそのまま放っておき、放っておくとやらないけれど、やった方が自分のプラスになるし、本当はやりたいけれど自分の中で自然ではないことを、TODOですくい取りたいと思っている。