スムージー

 欲しいものは手に入れる。セブンのスムージーを飲みたいというならば、具体的に飲む道筋が立つから「飲みたい」という願望を表明するのだ。叶わない願いは抱かないのが私である。

 その日は何もない一日で、何もないならグリーンサラダのトマトのように彩りを与えるべし、今日ならスムージーが映えるぞう、と思い、散歩の途中でセブンイレブンに立ち寄ることにした。

 いくつか種類がある中で、今回はベリー系を選んだ。値段は300円。アイスコーヒーを二杯飲むことのできる値段の中に、アイスコーヒーでは得られないわくわくが詰まっている。専用の機械にバーコードを読み取らせカップをセットすれば、後は自動的にスムージーを作ってくれる。カップを開けるときに力が入ってしまい、果実のキューブを三つこぼした。悲しい気持ちで私はそれを拾うとくず入れに捨てた。キューブ三つ分、私のスムージーはおいしさが欠けてしまったことになる。あんまり気にならないけれど。

 スムージーは予想通りの味で、しかし冷たさは予想以上だった。そりゃあ、凍らせた果実のキューブを攪拌しているのだ、冷たいに決まっている。あまりの心地よさに、熱帯夜の暑さに飲み込まれる前に私が全部ストローで吸いきってしまった。おいしかった。