散らばる骨

骨を拾い集めよう。

コロッケの美味い店を見つける。途中でコロッケとハムカツを買い(ハムカツ、なんて素晴らしい食べ物なんだ)茶色の紙袋から親指と人差し指でひょいとつまんで取り出すと歩きながら少しずつ食べる。甘さ控えめの私の好きな味。ハムカツはあとで。

恋愛と結婚は(できるだろうか)?と己に尋ねられる率直さがいい。それらは私にとって自明のことではない。未来にありうることかもしれないが、あり得なかったとして何か問題はあるだろうか(一人で死ぬことにはなるかも)。疑いがあるならば、信じられないならば、それをきちんと言えばいいと思うが(言いたくないわけではない)どうもマイノリティな雰囲気(本当に少数派かしら)が悲しさを一緒に運んでくる。悲しくはない、いつまでも心がわからないだけ。

坂本龍一の自伝をポイントで買う。403円はポイントで賄えなかった分。坂本龍一のこと、全然知らないやと思いながら読んでいく。書き手が既にこの世にはいないということを、私はそこまで気にしない。本というのはそういうときがあるわけだから。私にはこういう日記が書けないなあと思う。覚えていることは少ない。引用することも得意じゃない。これ以上ちゃんと書いたら私は日記を続けられないだろうと感じるから、坂本龍一、すごいなと思う。日記を書ける人はそれはそれで才能だ。

骨。私を私たらしめる出来事の砂粒。油断すると、どんどん手のひらからこぼれ落ちていく骨たちを、ちゃんと骨だと思いながら消化することが必要。ゼルダの伝説は容易くそれを邪魔してくる(どう考えてもゲームの方が麻薬的で、書くことは葦のようにか細く弱い)。