再構築

 長いながい散歩。

 

 

 

 

 月並みだけど、生きるのって苦しいなあ、ということを歩きながら考えてしまった。

 私のスタンスとしては「生きることって全般的に悲しい」であり、それは貝類の肝のように苦い、ぐらいに捉えられているぐらいがちょうどよいと思われる。あまりにその悲しみに浸かると戻ってくるのが大変だ。貝類、とても好き。サザエ、食べたい。

 写真展にも行く。芸術を所有することはできないということについて考える。私は展覧会のあの雰囲気が好き。ギャラリーのフローリングを歩く際の足音にまで耳澄ませる。

 実用的なものでないとグッズを買えない私は、そうだ、旅先で自分宛てに送る葉書用にすればいい、天才!と、ポストカードを1枚だけ買った。即決。これからは心置きなく美術展のポストカードを買うことができるので嬉しい。ポストカードを買ったところでいつも持て余していたのが悲しかったから。

 たくさん歩くと景色に感情が吸われて何もなくなる。言葉を一文字一文字組み立てることで、自分のからだを再構築する。目下、その作業中だ。